どうも!不労太郎です。


今回は、第2回ノーベル経済学受賞者、ポール・サミュエルソン氏が言い出した『謎』に関して、同じくノーベル経済学受賞者のリチャード・H・セイラー氏の研究結果をもとに株式購入にあたっての『投資家が苦しまない理想的な評価の期間』に関しての記事です。
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経済学賞を受賞したポール・サミュエルソン氏



1963年、サミュエルソン氏は同僚に、『200ドルを得る確率50%、100ドルを失う確率が50%の賭けをする気はあるか?』と尋ねました。その同僚は最初は断りましたが、後日、『もし100回その賭けを繰り返し、毎回の結果を見なくてもいいなら喜んで賭けをやってもいいよ』…と返答があったそうです。


この情報を聞いたリチャード・H・セイラー氏は『これを投資の世界に当てはめることはできないか?頻繁に投資を評価するのでなければ、証券を保有する期間が長いほど、その資産の魅力が増していくのではないか?』と考えました。


過去の投資のリターンを分析すると、長期的なリターンの大部分は取引期間のうち7%の期間で生まれ、残る93%の期間のリターンは足し引きほぼゼロになることにリチャードは気づきました。


まり、投資期間が短く、毎日、株価等をチェックする場合、損失になっている状態をみることが多くなります。例えば投資期間1か月(約30日)であれば、損失を見る期間は27.9日になります。これだけ損失を見る機会が多ければ、嫌になる気持ちになってしまいそうです。


資家を苦しませる要素が2つあります。それは、『損失回避』と『頻繁な評価』です。毎日、評価をすることで損失を見る機会が増えることで、損失を回避しようと心が痛みます。この心理現象を『近視眼的損失回避』と言います。頻回の株価チェックをやめれば、日々の株価変動をみて不安を感じないで済みます。見ない期間を長くとればとるほど、自分の選択が正しいと感じ、変な狼狽売りをしなくなるでしょう。


セイラーは理想的な株価チェックする頻度を探しました。短期的にみると、株価は債権よりも大きく変動します。長期間であれば株式リターンの標準偏差は小さくなります。では、債権に対して、株式投資の近視眼的損失回避が働かなくなるためには、どれくらいの期間、株価をチェックしないで保有すればいいのでしょうか?


最短1時間から最長10年までの期間で、株式のリターンと標準偏差、プラスになる確率を調べ、損失回避の心理を調べる簡単な公式(カーネマンとトベルスキーが提唱)を使い、投資家の心理的効果がプラスになるまでの期間をセイラー氏は研究しました。


の結果、『株価チェックの理想は1年に一度』でした。


つまり、投資家が苦しまないで投資できる株価チェックは1年に一度のみ、と科学的に解明されたわけです。


1代で総資産7兆円以上にしたオハマの賢人、ウォーレン・バフェットもこの研究結果と同様な発言をしています。『株式市場は1年に一度開けば十分。市場が10年開かなくても買いたい企業の株を買いなさい』…と


バフェットの言葉が、心理学における近視眼的損失回避の研究結果と一致しているのはとても興味深いです。やはり天才とは、本能的に分かっているのでしょう。


まぁ、科学的に解明されて、伝説の投資家が言っているからといって、すぐに自分もできるわけないですよね。不労太郎も比較的頻回に見ちゃうときはみちゃうし…笑

気長に自分に合っている方法を探していきます。長期投資で勝つという方針は絶対に変えません!

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